感謝 グランプリ神戸(デッキ選択)
2017年6月1日 TCG全般こんにちは。記憶の壷内です。
先日行われたグランプリ神戸でたくさんの人達の後押しを受けて,トップ8に名を連ねることができました。
いっしょに調整して議論したチームメイト,デッキ選択にアドバイスをいただいた方々,サイドボードに意見を寄せてくださった方々,緊張する試合で励ましてくれた方々…その他数えきれない友達からの支援…感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
リクエストをいただきましたので,私がなぜアドグレイスというデッキを選択したのかの経緯を記しておきたいと思います。
(1)グリセルシュート
私は,グランプリの約3ヶ月前からモダンのデッキを模索していました。最初の候補は,グリセルシュートでした。
私が調整していたグリセルシュートは,純正赤黒のエムラ型で,直前のRPTQで名古屋の某Gさんが使ってプロツアー権利を獲得した形が原型でした。
サイドボードをいじり,メインに五元プリズムと血染めの月をとり…という微調整を重ねて,グランプリ1ヶ月半前までは,MOリーグで45勝25敗というかなり良い感触で調整していました。
ところが,グランプリ1ヶ月半前頃から環境に急激に外科的摘出が増えはじめました(墓地対策&大爆発の魔導士等と組み合わせた土地コンボ対策を兼ねられること,死の影と相性がいいことが理由だと思います)。
意外に思われるかもしれませんが,安らかなる眠りや大祖始の遺産のような置物では,プランBの裂け目の突破ルートへの変更をすれば意外に致命傷にならないのです(ルーター呪文は不要牌を有効牌にかえてくれます)。しかし,グリセルシュートにとって外科的摘出は奇襲性が極めて高い上に,ほぼ致命傷になります。
MO上でも外科的摘出1枚によって負けるマッチが徐々に増えて行きました。
その様な中で5月3日に行われたBMO横浜でトップ32のデッキレシピを見てみたところ・・・
約半分のデッキが外科的摘出を採用!!
これまでいくらMOで勝っていてもさすがにグリセルシュートで外科の海に飛び込むのは…。
実は,こんなこともあろうかともう一つ練っていたデッキがありました。
タイタンバラク―トです。
(2)オーメンタイタンバラク―ト
実は,タイタンバラク―ト自体は,東京のヤクザことK氏の助言を受けながら,今から1年くらい前からちょくちょく調整しており,トップメタになりつつあったエルドラージトロンに強いという点が強みで悪くないメタ位置でした。当初は,赤緑型を調整していましたが,死の影や献身コンボに対し対応力が足りないということで,タッチ黒とタッチ白を試しました。それぞれのざっくりとした特徴としては…
タッチ黒は,
致命的な一押し,集団的蛮行,殺戮遊戯によって,死の影やコンボに対して強い。
タッチ白は,
流刑への道,安らかなる眠り,石のような静寂によって,死の影,グリクシス,トロン,親和に対して強い。
また,勝筋の安定とスピードアップのために,オーメンを3枚採用することまではほぼ決めていました。
実際,このオーメンタイタンバラクートは,タッチ白型にしろタッチ黒型にしろ非常に安定して勝ち越しました(MO成績はタッチ白が22-17,タッチ黒が16-9)。
しかし,タッチ色によりマシになっているとはいえプレイングの幅が狭く,死の影の基本戦略であるハンデスからの早いクロックに対処できないという脆弱性がありました。また,何より皆が知っているデッキなので,血染めの月や土地破壊+サージカルのような簡単な対策で手も足もでず負けてしまうマッチも少なくありませんでした。
つまり,勝ち越すことはできても,対戦相手の強い動きにやられてバカ勝ちのが難しいデッキでした。
それでも,BMO終了時の時点では,まだバラクートを主軸で考えていました。
そこに,伏兵が…
(3)アドグレイス
もともと,アドグレイスは,私自身のためではなく,我がチームのヒロインのポポがモダンを始めるにあたって,使いやすそうなデッキ(彼女の主戦場はレガシーでANTを熟達しています)として私が提案した1つに過ぎませんでした。
ところが,我がヒロインは当初アドグレイスをあまりお気に召さなかったようで…嫁のために作ったデッキをもったいないからと言って旦那のITZが回していました。
これが店舗大会でかなり安定して勝っていて,いつの間にかITZの方がアドグレイスに嵌っていました。当初,私は,ITZの後ろから,アドバイスをもとめられたときに意見を言うくらいでしたが,いつも後ろで見ているうちに,
① コンボなのに打消し系コントロールに強い
② 安定感がかなりある
③ 正確にデッキを把握している対戦相手が少ない
④ 神聖の力線さえはれれば外科的摘出がささらない
ということに気づき…,「このデッキ,過少評価されてないか?」と思うようになりました。BMOのメタゲームの結果からグリセルシュートに自信を失っていた私は,藁をもつかむ思いでアドグレイスをMOで回すことにしました。この時点で,グランプリの3週間前でした。
昼間の休憩時間に,あるいは睡眠時間を削って深夜に,文字通りMOを回しまくった結果…アドグレイスの最終成績は,39-16…まさかこんなことが…という程勝てました。しかも,サイドボードは,GPの直前まで未だ詰め切れていない状態なのにもかかわらずです。
ここからITZ,ポポ(紆余曲折でアドグレイス使用を決意)の3人でアドグレイス調整チームを組織し,メインボードの見直しとサイドボードの修正を徹底的にやりました。実際に,サイドボードの修正は,3人でグランプリの前日の深夜までやってました。
直前で,ポポの発案で,サイドボードに献身コンボ対策に墓堀の檻を2枚取り,それに伴い,サイドインアウト表を総見直ししました。
この檻が,グランプリ二日目の10勝1敗の大事なラインで劇的に刺さることになるのです。
(当日編に続く)
先日行われたグランプリ神戸でたくさんの人達の後押しを受けて,トップ8に名を連ねることができました。
いっしょに調整して議論したチームメイト,デッキ選択にアドバイスをいただいた方々,サイドボードに意見を寄せてくださった方々,緊張する試合で励ましてくれた方々…その他数えきれない友達からの支援…感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
リクエストをいただきましたので,私がなぜアドグレイスというデッキを選択したのかの経緯を記しておきたいと思います。
(1)グリセルシュート
私は,グランプリの約3ヶ月前からモダンのデッキを模索していました。最初の候補は,グリセルシュートでした。
私が調整していたグリセルシュートは,純正赤黒のエムラ型で,直前のRPTQで名古屋の某Gさんが使ってプロツアー権利を獲得した形が原型でした。
サイドボードをいじり,メインに五元プリズムと血染めの月をとり…という微調整を重ねて,グランプリ1ヶ月半前までは,MOリーグで45勝25敗というかなり良い感触で調整していました。
ところが,グランプリ1ヶ月半前頃から環境に急激に外科的摘出が増えはじめました(墓地対策&大爆発の魔導士等と組み合わせた土地コンボ対策を兼ねられること,死の影と相性がいいことが理由だと思います)。
意外に思われるかもしれませんが,安らかなる眠りや大祖始の遺産のような置物では,プランBの裂け目の突破ルートへの変更をすれば意外に致命傷にならないのです(ルーター呪文は不要牌を有効牌にかえてくれます)。しかし,グリセルシュートにとって外科的摘出は奇襲性が極めて高い上に,ほぼ致命傷になります。
MO上でも外科的摘出1枚によって負けるマッチが徐々に増えて行きました。
その様な中で5月3日に行われたBMO横浜でトップ32のデッキレシピを見てみたところ・・・
約半分のデッキが外科的摘出を採用!!
これまでいくらMOで勝っていてもさすがにグリセルシュートで外科の海に飛び込むのは…。
実は,こんなこともあろうかともう一つ練っていたデッキがありました。
タイタンバラク―トです。
(2)オーメンタイタンバラク―ト
実は,タイタンバラク―ト自体は,東京のヤクザことK氏の助言を受けながら,今から1年くらい前からちょくちょく調整しており,トップメタになりつつあったエルドラージトロンに強いという点が強みで悪くないメタ位置でした。当初は,赤緑型を調整していましたが,死の影や献身コンボに対し対応力が足りないということで,タッチ黒とタッチ白を試しました。それぞれのざっくりとした特徴としては…
タッチ黒は,
致命的な一押し,集団的蛮行,殺戮遊戯によって,死の影やコンボに対して強い。
タッチ白は,
流刑への道,安らかなる眠り,石のような静寂によって,死の影,グリクシス,トロン,親和に対して強い。
また,勝筋の安定とスピードアップのために,オーメンを3枚採用することまではほぼ決めていました。
実際,このオーメンタイタンバラクートは,タッチ白型にしろタッチ黒型にしろ非常に安定して勝ち越しました(MO成績はタッチ白が22-17,タッチ黒が16-9)。
しかし,タッチ色によりマシになっているとはいえプレイングの幅が狭く,死の影の基本戦略であるハンデスからの早いクロックに対処できないという脆弱性がありました。また,何より皆が知っているデッキなので,血染めの月や土地破壊+サージカルのような簡単な対策で手も足もでず負けてしまうマッチも少なくありませんでした。
つまり,勝ち越すことはできても,対戦相手の強い動きにやられてバカ勝ちのが難しいデッキでした。
それでも,BMO終了時の時点では,まだバラクートを主軸で考えていました。
そこに,伏兵が…
(3)アドグレイス
もともと,アドグレイスは,私自身のためではなく,我がチームのヒロインのポポがモダンを始めるにあたって,使いやすそうなデッキ(彼女の主戦場はレガシーでANTを熟達しています)として私が提案した1つに過ぎませんでした。
ところが,我がヒロインは当初アドグレイスをあまりお気に召さなかったようで…嫁のために作ったデッキをもったいないからと言って旦那のITZが回していました。
これが店舗大会でかなり安定して勝っていて,いつの間にかITZの方がアドグレイスに嵌っていました。当初,私は,ITZの後ろから,アドバイスをもとめられたときに意見を言うくらいでしたが,いつも後ろで見ているうちに,
① コンボなのに打消し系コントロールに強い
② 安定感がかなりある
③ 正確にデッキを把握している対戦相手が少ない
④ 神聖の力線さえはれれば外科的摘出がささらない
ということに気づき…,「このデッキ,過少評価されてないか?」と思うようになりました。BMOのメタゲームの結果からグリセルシュートに自信を失っていた私は,藁をもつかむ思いでアドグレイスをMOで回すことにしました。この時点で,グランプリの3週間前でした。
昼間の休憩時間に,あるいは睡眠時間を削って深夜に,文字通りMOを回しまくった結果…アドグレイスの最終成績は,39-16…まさかこんなことが…という程勝てました。しかも,サイドボードは,GPの直前まで未だ詰め切れていない状態なのにもかかわらずです。
ここからITZ,ポポ(紆余曲折でアドグレイス使用を決意)の3人でアドグレイス調整チームを組織し,メインボードの見直しとサイドボードの修正を徹底的にやりました。実際に,サイドボードの修正は,3人でグランプリの前日の深夜までやってました。
直前で,ポポの発案で,サイドボードに献身コンボ対策に墓堀の檻を2枚取り,それに伴い,サイドインアウト表を総見直ししました。
この檻が,グランプリ二日目の10勝1敗の大事なラインで劇的に刺さることになるのです。
(当日編に続く)
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